遺言書 遺言者○○○○は、次のとおり遺言する。 一、 遺言者は遺言者が所有する財産のうち、以下の財産を長男○○ ○○に相続させる。長男○○ ○○は 書籍販売店、光文堂の経営を引き継いで欲しい。長年、私とともに働いてきたのだから、仕事の仕方はすべてわかっていると思うが、良質な本をそろえる伝統を保ってもらいたい。もし経営上困ったことがあったときは、次男○○に相談をするようにして欲しい。 (ア) 宅地 所在 ○○県○○市○○○○ 地番 520番15 地目 宅地 地積 壱百弐拾五・○七平方メートル (イ) 居宅 所在 ○○県○○市○○○○520番地15 家屋番号 520番15 種類 居宅 構造 木造瓦葺ニ階建 床面積 1階 八拾ニ・四参平方メートル 2階 六拾四・○五平方メートル (ウ) 光文堂の商品、備品のすべて (エ) 光文堂の経営に関する帳簿、顧客及び取引先の住所録 (オ) A銀行普通預金 口座番号○○○○○○○○の預金全部 (カ) 自宅一階のN○C製のパーソナルコンピュータ及びその付属品(ディスプレイ、MO等取り外し出来 る物も付属品に含める) (キ) 光文堂の経営に関することがらを記録したCDーROM及びMOディスクすべて (ク) 光文堂の買掛金と売掛金のすべて (ケ) 電話加入権(電話番号○○○ー○○○ー○○○○) (コ) 光文堂のホームページを構成しているすべてのファイル及びその作成に必要なファイル 一、 遺言者は遺言者が所有する財産のうち、以下の財産を次男○○ ○○に相続させる。光文堂の経 営を長男○○に引き継がせるため、次男の○○には残す財産が少なくなってしまうことを残念に思う。 兄の経営が成功するように、税理士として助言してもらえれば私は安心できる。 B銀行普通預金 口座番号○○○○○○○○の預金全部 平成○年○月○日 ○○県○○市○○○○△番△号 遺言者○○○○ 印 |
ワンポイント解説 妻がなく、長男に本屋さんを継がせるという遺言書です。弟が税理士をしていて十分な収入があるため、相続でもめる心配はあまりないという都合のいい設定ですが・・・・・・。(それなら遺言する必要はないのではないか?というツッコミはしないでください。)実際には相続争いになる可能性があるからこそ遺言書をつくるという方が大勢いることと思います。 この書店の長男に経営権を引き継がせる場合は一言で言えば「光文堂に関するすべての財産及び権利を長男○○に相続させる。」でもよいのですが、そうしますと仕事とその他の作業に両方利用しているパソコンや電話、自動車などの帰属があいまいになってしまいますので、この遺言書のように列挙する形式の方が好ましいと言えます。 生前の親子関係がいい場合、長男に店を継がせるために次男の相続財産が少なくなることを気にしている様子がわかれば納得してくれる次男もいるでしょう。 |
自分の店を長男に継がせたい |